書評

今回は書評と言う形で以下の本↓



不気味で素朴な囲われた世界 (講談社ノベルス)

不気味で素朴な囲われた世界 (講談社ノベルス)



この本は西尾維新さんの最新刊で↓



きみとぼくの壊れた世界 (講談社ノベルス)

きみとぼくの壊れた世界 (講談社ノベルス)



の続編、と言うよりは姉妹本にあたる内容でした。。。


どちらから読んでも大丈夫です。。。






 さて、結論から言いますと、今回のこの作品、


西尾維新さんの書いたものという点で考えると、かなり「滑った」感がありました。。。


因みに「滑った」とは、必要ない設定をつけたばっかりに作品のクオリティが低下してしまったという事です。。。






 西尾維新さんの代表作である「戯言シリーズ」を読んでいない自分が言うのもなんですが、


この人の書く作品の面白さに共通する事は間違いなく「会話」であると自分は思います。。。


主人公とヒロインが織り成すテンポが良過ぎるほどの「会話」。。。


まるで言葉遊びをしているかのような錯覚に陥ります。。。


この事は、同じく西尾維新さん著の「化物語」を読めば一目瞭然だと思います。。。





が、しかし今作、


著者である西尾維新さんは、主人公と最も長い時間行動を共にするヒロインこと病院坂迷路に対して




 結局、どれほど異常で異質なものであっても、日常に帰依しないものなどないということですよ。


あなたと私がたとえ恋人同士になったところで、それが実現した時点でそれはあくまで日常でしかありません


――――病院坂先輩は唇を閉じることで、そう言うに代えた。



などといったような、全く自分の口では喋らず、全て仕草や表情で物事を相手に伝える、


無口キャラで有名な長門有希もビックリの絶口キャラの命を与えてしまいました。。。




 
 勿論喋らなければ「会話」は発生しません。。。


という事で、これが今作の「滑った」ところ。。。







まあ、文体とかはいつも通り、


相変わらず学生に好かれそうな文体で、


締めも西尾維新さん特有、


主人公のセンチメンタル的、いかにも物語りはオシマイデスヨ的なモノローグで良い感じでした。。。


そして表紙and扉絵イラストのTAGROさんも前作より大幅にクオリティアップしていました。。。




西尾維新さんの本は読みやすいので短時間で読破出来てしまいます。。。


興味が沸いた方は、是非この本からどぞ。。。