書籍紹介


鋼の魂―僕僕先生

鋼の魂―僕僕先生



中国冒険ロードノベル『僕僕先生シリーズ』の最新作。


今回の舞台は屈強な馬銀槍が長を務める国、程海。


同名の湖底に眠ると言われている“鋼人”という神をめぐり、僕僕一行と胡蝶、そして程海の隣国である南詔との三つ巴の攻防が繰り広げられる。



しかし、このシリーズも6冊目にして圧倒的ネタ切れ感が漂ってきているな。


前の5冊と決定的に違うのは、僕僕一行が直接騒動の渦中にいない点であろう。


僕僕一行がたまたま程海を通り過ぎたからまあ少し手を貸してやろうという謂わば助っ人的な扱い、


主人公である僕僕仙人が終始蚊帳の外であり、物足りない印象、それ故に受けたマンネリ感なのかもしれない。




ボクが結構前から期待している僕僕先生の過去編は一体いつになったらやるんだろうか。




臓物大展覧会 (角川ホラー文庫)

臓物大展覧会 (角川ホラー文庫)




この中に収録されている『透明女』は一読の価値あり。


電車の中で読んでいたのだが、圧倒的密度の臓物描写に思わず吐き気を催したため、目的地中途の駅で下車し、しばらく休憩を要するほどだった。


ボクは普段本を読んでいて感情を動かされることすら滅多にないのだが、まさか体調を害すことになるとは、自分で自分に驚きだった。




月の裏側

月の裏側




「月の裏側」には、なにかありそうでなにもない。ゆえに<人間もどき>は火葬をしてもなにも残らない。空っぽの存在。


ボクも、そしてこの文章を読んでいるアナタも、もうすでに“盗まれている”のかもしれない。




四畳半王国見聞録

四畳半王国見聞録




森見。『四畳半神話体系』の続編と言うか前身と言うか。


『神話体系』よりも、更に深く、より四畳半そのものに焦点を当てた本書。


向こうは無限に広がる四畳半世界を海底に見立てていたけど、


今作は宇宙、それも広がるのではなく内包しているという意味では、四畳半王国の繁栄やら発展やらの可能性が描かれていたのかなーとも思う。




新装版 奇妙な昼さがり (講談社文庫)

新装版 奇妙な昼さがり (講談社文庫)




星新一ショートショートは徹底的に人物を排除してアイディア勝負だけど、


(この本だけかもしれないけど)この人は結構人物関係を大事にしてショートショートを書く人なのね。


なんかサスペンスドラマの歪な人物相関だけを抜き出したような話が多かった。




女子の国はいつも内戦 (14歳の世渡り術)

女子の国はいつも内戦 (14歳の世渡り術)




辛酸なめ子


女子中学生の教室クラスに於けるヒエラルキーを所属グループ別に分析した本書。


上から順に、A:派手系、B:普通系、C:真面目系、D:カルチャー系、E:オタク系

の分類。


カルチャー系とオタク系の違いは、前者はバンドグループを組んだり映画鑑賞が趣味だったり、言わば広い意味でのカルチャーに傾倒してる人たち、後者は漫画やアニメなど限定的なカルチャーを趣味にしている人たちということ。




案外こういう本が昨今のいじめ問題に対して良い参考書になるのかもしれないね。




13歳からの作文・小論文ノート

13歳からの作文・小論文ノート




表紙の子が可愛い。中のイラストも可愛い。


この本の柱は『とにかく「要するになに?」を明確化しろ』ってことなんだけど、


ボクを含め、ネットでツイッターやブログをやってる人たちはこれが出来ていない人が結構多いんじゃないかな。


やっぱり分かり易く書くと言うよりは、簡潔に書くよう心がけた方が良いのかもしれないな。




おもしろくても理科 (講談社文庫)

おもしろくても理科 (講談社文庫)




小説家が理科を語る時点でなんだかなーって感じなのにそれが清水義範だってんだから胡散臭さは倍率ドンさらに倍。


西原理恵子とのコンビ良いね。トンデモ博士と生意気な助手って感じ。




ビアンカ・オーバースタディ (星海社FICTIONS)

ビアンカ・オーバースタディ (星海社FICTIONS)




筒井康隆ライトノベル始めました。」


ビアンカちゃんの犯りすぎ性教育


初出は『ファウスト 2008年SUMMER Vol.7』


その時の煽りは



文学史上の“事件”が発生!」



あれから4年、ようやくの単行本化。


全て太田が悪い。


美少女、未来人、草食系etc...ライトノベルお決まりの設定を用意して登場キャラクターが自虐で茶化すメタライトノベル


“メタ”にすることで御大は面目を保ったということか。


それよりのいぢ絵。あまり詳しくないがカラーだからかいつもより気合入っていた気がした。


ティーンズ文庫も値段上げて挿絵をカラーにすれば良いんでないかと無責任なことを思ったりした。