第三回アニメ制作会社巡りの旅 前編
時は遡ること8月、夏季休業中の大学構内閉鎖期間に伴い研究室への出入りが制限されたため、
僕は炎天下の中、ペダルを踏み踏み第三回アニメ制作会社巡りの旅へ行ってきた。
ブレインズ・ベースと言えば『輪るピングドラム』『神様ドォルズ』『デュラララ!』『狼と香辛料』『夏目友人帳シリーズ』など数多くの人気作を手がけたアニメ制作会社だが、
やはりなんと言ってもお薦めは国営局認定アニメ『かみちゅ!』だろう。
『かみちゅ!』は良い。
ボクが初対面の人とアニメの話をする時は『かみちゅ!』に対する反応を見て気が合うかどうかを確かめるくらいに『かみちゅ!』は良い。
写真はまず社屋。社屋と言っても、階ごとに玄関扉があって、アパートを改良した感じ。
下の画像を見ての通り正面の壁の三分の一程度は緑の蔦に覆われている。
神様やら妖怪アニメを多く担当しているだけあって、自然へのリスペクトを忘れないと言うことなのか(?)
このシケモクの量。やはり、やはり激務なのだろうか。↓
初めてスマートフォンのカメラで撮影した空と雲。いい天気。思ったより画質が良かった。↓
以上、第三回アニメ制作会社巡りの旅 前編 おわり。
以下、おまけ。
たくさんの鳥居の向こうは――
狐の街でした――。
乱立する狐の置物。
施錠されたガラス戸の中に、びっしりと、まるで封印されているかのように敷き詰められていた。
絵馬。
ちなみに二匹の白狐が咥えているのは「稲霊」を象徴する玉と穀物倉の鍵。
というのも稲荷神社ってのは倉稲魂神(うかうみたまのかみ)つまり穀物(食料)の神様を祀っている神社だから。
以上、おまけ おわり。後半へ続く。
第三回アニメ制作会社巡りの旅 後編
前の記事に次いで第三回アニメ制作会社巡りの旅、その後編の目的地は……。
スタジオコメットと聞いても頭に?マークが浮かぶ人が多いかもしれない。
言っておくが『コメットさん』の制作会社ではない。
何を隠そう、スタジオコメットはボクの大好きなアニメ『ジュエルペット』の制作会社である。
あとコメット繋がりで『宙のまにまに』の制作なんかも担当してる。すごい適当だな。
ガイナックスの社屋に似ている。あと、地味、暑い、遠い。
他の制作会社も一枚くらい作品のポスターを玄関に貼っておいて欲しいと思う。
つかなんでラブラがセンターなんだよ。サンゴにゃんかペリドット出せやコラ。
以上、第三回アニメ制作会社巡りの旅 後編 おわり。
以下、特別おまけ。
『狐独のグルメ』 第1話「東京都練馬区豊中のぶっかけ下うどん」
以上、第三回アニメ制作会社巡りの旅 完。
第1話「東京都練馬区豊中のぶっかけ下うどん」
……俺は腹が減っていた。スタジオコメットの見学を終えたのが午後0時30分ごろ。そのまま自転車に乗り帰宅途中にある適当な“めし屋”にでも入ろうと思ったのだが、如何せん真夏の炎天下だ。何も食べずに自転車を走らせたら暑さにやられて倒れてしまうだろう。仕方なく俺は手近な店で昼食を済ませることにした。
しかしこの辺りは住宅ばかりであまり目ぼしい店はなさそうだなァ。
かと言って駅に出て帰り道が分からなくなるのも厄介だ。
…………
……
…
東京ってのはどうして蕎麦屋ばっかりあるんだろうな。
実を言うと俺はあまり蕎麦が好きではない。特に理由はないが食べていて何となく物足りない気がしてしまうのだ。
ああ、それにしても腹減ったなあ。
“めし屋”は……、どこかに“めし屋”はないのか。
「おっ」
「カレーうどんか」
「しかしこの暑い中、カレーうどんというのもなァ」
いや、まあ、たまには良いか。
考えてみたら俺ははなまるうどん以外に専門店のうどんというのを食べたことがない。
「メニューには他に冷たいうどんもあるだろうし……よし、ここにするか」
ガラガラ。
「いらっしゃいませー、カウンターの奥の席どうぞー」
「お決まりになったら呼んでくださーい」
お昼時なのにあまり人が入ってないな。
さて何を食うか。
ほぅ、セットメニューでいなり寿司が付いてくるのか。
しかしハイカラうどんのいなりセットだと油揚げがダブってしまうんじゃないか。
熱いうどんは色々種類があるな。
うーん、どれもうまそうなんだけど。
やはりこういう暑い日には冷たいうどんをツルッと頂きたい。
豚汁うどんにざるうどん、ぶっかけ下か。
お、ぶっかけ下には玉子も付くのか。これはいいな。
「すいません」
「はいはいお決まりですか」
「ぶっかけ下ください」
俺はできるだけ物おじせずハッキリと注文を言う。いちいち聞き返されるのはやっかいだ。
注文を済ますと少し気が楽になり店内を見回す余裕が出てくる。
内装はなかなか老舗っぽい雰囲気だけど。
こんな住宅街の真ん中にうどん屋って、儲かるのだろうか。
まさか子供の頃からうどん屋をやりたかったわけじゃあるまいし。
夫婦でやってるみたいだし、それにまだ若い。仕事に疲れ脱サラしてって感じなのかな。
そういえば俺は小学校の卒業文集で、将来の夢の欄に何と書いたっけか。
「はい、おまちどうさま。ぶっかけ下です」
「お、待ってました」
どれどれ。加賀百万石の手打ちうどんの味は。
「ズルズル」
「うん、うまい」
つゆが少し薄味のような気もするけどダシがよく効いているな。
「うどんもコシがしっかりしていて中々食べ応えがある」
うんうん、練馬大根も辛くなく優しい味だ。
「ズルズルズルッ」
あー、そういえば昔、『練馬大根ブラザーズ』なんてタイトルのアニメがあったっけか。
「ズルズルズズゥ」
卵をからめると味がまろやかになっておいしいな。
…………
……
…
「ふう」
「うまかった」
結局俺が食べている間、一人しか客が来なかったな……。
「スイマセン、お会計お願いします」
「はぁ〜い、ぶっかけ下なので650円になります」
ガラガラ。
「あちゃー、すごい暑さだな」
22歳、就活をしたくないという理由で特に考えず大学院に進んだけど……。
「将来の夢か……」
俺には到底無理な話だな……。
書籍紹介
- 作者: 仁木英之
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/04
- メディア: 単行本
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中国冒険ロードノベル『僕僕先生シリーズ』の最新作。
今回の舞台は屈強な馬銀槍が長を務める国、程海。
同名の湖底に眠ると言われている“鋼人”という神をめぐり、僕僕一行と胡蝶、そして程海の隣国である南詔との三つ巴の攻防が繰り広げられる。
しかし、このシリーズも6冊目にして圧倒的ネタ切れ感が漂ってきているな。
前の5冊と決定的に違うのは、僕僕一行が直接騒動の渦中にいない点であろう。
僕僕一行がたまたま程海を通り過ぎたからまあ少し手を貸してやろうという謂わば助っ人的な扱い、
主人公である僕僕仙人が終始蚊帳の外であり、物足りない印象、それ故に受けたマンネリ感なのかもしれない。
ボクが結構前から期待している僕僕先生の過去編は一体いつになったらやるんだろうか。
- 作者: 小林泰三
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2009/03/25
- メディア: 文庫
- 購入: 5人 クリック: 419回
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この中に収録されている『透明女』は一読の価値あり。
電車の中で読んでいたのだが、圧倒的密度の臓物描写に思わず吐き気を催したため、目的地中途の駅で下車し、しばらく休憩を要するほどだった。
ボクは普段本を読んでいて感情を動かされることすら滅多にないのだが、まさか体調を害すことになるとは、自分で自分に驚きだった。
- 作者: 恩田陸
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2000/03
- メディア: 単行本
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「月の裏側」には、なにかありそうでなにもない。ゆえに<人間もどき>は火葬をしてもなにも残らない。空っぽの存在。
ボクも、そしてこの文章を読んでいるアナタも、もうすでに“盗まれている”のかもしれない。
- 作者: 森見登美彦,古屋兎丸
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/01/28
- メディア: 単行本
- 購入: 11人 クリック: 379回
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森見。『四畳半神話体系』の続編と言うか前身と言うか。
『神話体系』よりも、更に深く、より四畳半そのものに焦点を当てた本書。
向こうは無限に広がる四畳半世界を海底に見立てていたけど、
今作は宇宙、それも広がるのではなく内包しているという意味では、四畳半王国の繁栄やら発展やらの可能性が描かれていたのかなーとも思う。
- 作者: 阿刀田高
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/12/15
- メディア: 文庫
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星新一のショートショートは徹底的に人物を排除してアイディア勝負だけど、
(この本だけかもしれないけど)この人は結構人物関係を大事にしてショートショートを書く人なのね。
なんかサスペンスドラマの歪な人物相関だけを抜き出したような話が多かった。
- 作者: 辛酸なめ子
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2008/03/01
- メディア: 単行本
- 購入: 4人 クリック: 91回
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女子中学生の教室クラスに於けるヒエラルキーを所属グループ別に分析した本書。
上から順に、A:派手系、B:普通系、C:真面目系、D:カルチャー系、E:オタク系
の分類。
カルチャー系とオタク系の違いは、前者はバンドグループを組んだり映画鑑賞が趣味だったり、言わば広い意味でのカルチャーに傾倒してる人たち、後者は漫画やアニメなど限定的なカルチャーを趣味にしている人たちということ。
案外こういう本が昨今のいじめ問題に対して良い参考書になるのかもしれないね。
- 作者: 小野田博一
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2010/05/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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表紙の子が可愛い。中のイラストも可愛い。
この本の柱は『とにかく「要するになに?」を明確化しろ』ってことなんだけど、
ボクを含め、ネットでツイッターやブログをやってる人たちはこれが出来ていない人が結構多いんじゃないかな。
やっぱり分かり易く書くと言うよりは、簡潔に書くよう心がけた方が良いのかもしれないな。
- 作者: 清水義範,西原理恵子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1998/03/13
- メディア: 文庫
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小説家が理科を語る時点でなんだかなーって感じなのにそれが清水義範だってんだから胡散臭さは倍率ドンさらに倍。
西原理恵子とのコンビ良いね。トンデモ博士と生意気な助手って感じ。
- 作者: 筒井康隆,いとうのいぢ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/08/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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初出は『ファウスト 2008年SUMMER Vol.7』
その時の煽りは
「文学史上の“事件”が発生!」
あれから4年、ようやくの単行本化。
全て太田が悪い。
美少女、未来人、草食系etc...ライトノベルお決まりの設定を用意して登場キャラクターが自虐で茶化すメタライトノベル。
“メタ”にすることで御大は面目を保ったということか。
それよりのいぢ絵。あまり詳しくないがカラーだからかいつもより気合入っていた気がした。
ティーンズ文庫も値段上げて挿絵をカラーにすれば良いんでないかと無責任なことを思ったりした。