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発言者たち (文春文庫)

発言者たち (文春文庫)



人は皆、生まれながらにして「発言する」ことを欲する。。。












この本は、


そんな「発言欲」が特に強い、「巷に溢れる無名の発言者達」について書かれた物語です。。。




清水義範さんの作品は、相変わらずですが、非常に的を射た内容が書かれていて、


この本も、読んでいる途中、あまりの正論に鳥肌が立ってしまいました。。。







さて、


昨今の日本では、



・新聞の投書欄


・テレビ局への抗議、要望の電話


・書籍編集部への手紙


そして、


・ネットへの書き込み



など、


「無名の発言者達」に対して、


数多くの「発言場所」が設けられています。。。


そしてその中でも、


今最も需要が高いものが「ネットへの書き込み」であり、


其れを象徴するのが、


「急増するウェブログの普及」


なのだと思います。。。




今、自分を含めた高校生はモチロンのこと、


小学生を始めとしお年寄りまで、


様々な人がこのウェブログというものを書いています。。。


そして、


その内容はどうあれ、書いている人は皆、


そのウェブログという「発言場所」で自らが「発言したい事」を書き込むのです。。。




それが「政治について」であったり、


「教育について」であったり、


「読書感想」であったり、


「昨日遊びに行った事」であったり、


「昨今の日本アニメは二番煎じの萌えアニメばっかで燃えアニメが足りないっつー事*1」であったり、


「日本人なら黒髪ロングが一番だろって事*2」だったり、


「○○は俺の嫁*3」であったり、




その「発言内容」は様々です。。。




が、根底には皆、


「自分はこういう事をしたんだ!」「私はこれを読んでこういう風に感じたんだ!」


「みんな!俺の、私の、意見を聞け!」


という「発言欲」の意識が流れていると思うのです。。。


そして、この意識は2ちゃんねるなどの掲示板でも同じです。。。






例えば、某漫画に関するスレッドで、



「○○は神作」


「○○は糞漫画」


「冨樫仕事しろ」


「冨樫が仕事始めたら俺も本気出す」



などの書き込みも、


「発言欲」から生まれた立派な「発言」です。。。








が、しかし、


「発言」とは飽くまで「欲」なのであって、


「金欲」が強いからといって銀行強盗が許されないのと同様、


「発言欲」が強いからといって、欲に任せて何でも「発言」して良いわけではありません。。。



ウェブログだけでなく、ネット全体という「発言場所」での「発言」は、いかなる内容の自由が許され、


更に其れが大勢の人間の目に触れます。。。


それ故に、


「発言者」足るもの常に、


その「発言」が閲覧者に与える影響を考え、善悪を取捨選択しなければならないのだと思います。。。


そして其れを出来るのが、


「あたりまえの発言者」なのだと思います。。。




最近の日本、


ネットでの「発言」によって引き起こされる事件があまりに多いと思い、


自分もこの場で長々と「発言」させてもらいました。。。



ウェブログを書いている以上、


自分も常に「あたりまえの発言者」で在りたいと思います。。。

*1:因みにこれは自分の意見では無い

*2:この中では一番どうでも良い事だな

*3:長門俺の嫁!千葉紀梨乃も俺の嫁!←これもれっきとした「発言」である