買った漫画サラス







左上から。






『外天楼』





『それでも町は廻ってる』や『木曜日のフルット』で有名な石黒正数の最新連作短編集。


講談社が発行している雑誌『メフィスト』で連載していたものを単行本化した本書。


メフィスト』が元々ミステリ色の強い雑誌なので、


それに合わせてこの『外天楼』も(石黒正数としては初の?)ミステリがベースの作品集となっている……のだが、連作短編として物語全体のプロットを形作っているのは、


人工生命体やロボット工学などのSF的ファクターである。



ボクは石黒正数の作品を、現在週刊少年チャンピオンで連載中の『木曜日のフルット』しかまともに読んだことがないんだけど、この人って色んな分野の色んな作品を色んな雑誌で描いているよね。


確か雑誌『エレガンスイブ』でホラー作品も描いてるとか『フルット』の煽りで言ってたし。



しっかし、帯はもう少しなんとかならなかったのかな。シャフトの新房に書かせたのは良いとして、「いかがですか、アニプレックスさん!!」は無いだろう。


冗談に聞こえないからタチ悪い。


あと新房の肩書き、“『魔法少女まどか☆マギカ』『化物語』『さよなら絶望先生』の”って、『それ町』は新房シャフトじゃなかったっけ。


まあこればかりは出版社の問題なんだろうけど。




内容については、


1話目:誰がエロ漫画を捨てたか。 2話目:ヒーロー特撮内の作中作。 3話目:犯人が人間と見せかけて……。 んで4話が:館殺人かと思ったらこれまた実は……という、なんだろ、勘違い系?




以上4話まで見ると、どちらかといえば"日常の謎”色が強いんだけど、5話目からは一気に物語の確信に迫る内容――先ほど述べたSF的ファクター――が絡んできた。


ボクはミステリを読むとき、基本探偵よりも先に謎を解きたい派なので、同じ章を複数回読んで一生懸命作中に張られた伏線を探したりするんだけど、漫画で読むと本当さっぱりだね。文章で読むと伏線を張っている箇所はどうしても違和感を隠せなかったりするけど、絵だとその違和感がないっていうか……。


そもそもこの『外天楼』、大部分の作品のタネが“トリック”ではなく“ロジック”であるからして、伏線のようなものはほぼ存在しないと言っても過言ではないのだけど。


カバー裏の表紙は星空に作中で死んだキャラクターを描いて“星になった”ってことが言いたいのか、唯一生きてるヤマさんだけ描かれてないし。






アラサーちゃん





アラサー女子のための恋愛バイブル 漫画『アラサーちゃん』が今アツイ!「最近男が寄って来なくて……」とお悩みのアラサー女子のアナタ!今一度女子力を磨いてみませんか?男なんてチョー単純!アラサーちゃんの恋愛術で身近なイケメンを今すぐGETだ☆


とまあ、ツイッターで書いたことをそのままコピペしてきたわけだけど。


てか作者すげーなー、峰なゆか? AV女優はあんま詳しくないけど絵も描けて、文も書けるってユーティリティーだな。



「んもう! おとこのこは『アラサーちゃん』読んでちゃんとおんなのこの気持ちを勉強しなきゃダメだぞ☆」






ふうらい姉妹 第2巻』





偶然古本屋で1巻を見つけて買った『ふうらい姉妹』の第2巻。


どこまでもエンドレスにボケ続ける姉れい子と妹しおりの山本姉妹が織り成す「ベスト(残念な)姉妹・オブ・THE・ワールド(帯より)」


しかし自分でエンドレスにボケ続けると書いといて何だけど、一巻に比べるとしおりが割としっかりれい子にツッコミを入れていたような印象を受けたな。


また面白いのが、そのツッコミがよくある「なんでやねん!」的な、『銀魂』で言えば「オイィィィ!」的な、いわゆるノリに任せたタイプのものではなく、


「なぜそんなことを?」「何 この人達」といった冷静であるところ。


妹のしおりにとって姉れい子は尊敬の対象であるため、例えどんなに突拍子もないボケであっても、姉に声を荒げることなどしないのである。


それは彼女が常に、真顔か笑顔でしかツッコんでいないことからも言えることだ。


中身に関しては、表紙のれい子さんのポーズがエロイのと、熊大臣が面白かった。






私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!





随所で話題の『わたモテ』を買った。これ惜しいなー。正直もうワンランク上のぼっちライフを期待してたんだけど、実際は2ちゃんで語られてるぼっち像をそのまま持ってきたって感じ。ステレオタイプっつーか。


賛否両論だろうけど、絶望的なまでに主人公が可愛くないんだよなー(笑)


表紙の質感がすげースベスベで読んでいると手から落ちそうになるのは、「ぼっちである主人公は読者すらも拒絶する」という編集の仕掛けたメタ的な演出なんですよね?


個人的には主人公じゃなくて、主人公の友人が高校デビュー成功するまでの2ヶ月を描いて欲しいな。いや描けないか。オタは理想の恋愛は描けても、実際の成功譚は描けないもんね。






変ゼミ Vol.6』





5巻から結構空いたような気もするけど11ヶ月か。うん結構空いてる。『変ゼミ』の第6巻。


今回はOAD付き限定版が存在しないので通常版を。


やっぱり面白いなー、『変ゼミ』 本誌で追ってないことを差し引いても、ボクが買っている中で最も次の巻が気になる漫画だ。


変ゼミ』の面白いところって、変態生理ゼミナールに所属する登場人物たちが、自らが変態であることを自覚していながら、それを決して特別視、神聖視しないところなんだよなー。


それ故に彼らの変態談義は場所を選ばず、時にはお昼時の学食で、時にはカフェテラスで、時には良い感じ居酒屋で、時には天下の往来でさえも行われる。


彼らの周りには「ちょ、ちょっと! こんなところでその話はマズイですよ!」などと無粋な心配をする人間はたったの2人しかいないのだ。


その一人が本作の主人公であり、変ゼミ唯一の劣等生――と書いてじょーしきじんと読む――松隆奈々子である。


彼女と周りの変ゼミ生とのギャップは5巻のとき記事にしたので割愛するが、彼女がゼミ生たちの変態性に触れたときのその慌てっぷりや、


巻を重ねる毎に変態行為に慣れていく様を見るのはこれまた『変ゼミ』の面白さの一つである。(しかしそれは決して松隆自らが変態になっているわけではない。なぜなら変ゼミの基本はフィールドワークであり、自らが行動を起こさない限り彼ら(変態)たちは決して彼女を評価しないからだ)




そして無粋なツッコミを入れる人間がもう一人、それは我々読者自身である。


これは変ゼミを一巻から読んできた人なら分かるだろう。一体何度小麦に「ここでその話をするなぁー!」とページを捲りながら思ったことか。


未読の人はそうだな、大学で異性の先輩と二人で向かい合って満員の学食でカレーを食べているとする。


すると突然目の前の先輩が大声で 食糞 の話をし始めるシーンを想像してもらえば分かりやすいかな。


そんな展開が第1巻の第2話から繰り広げられるのである。




ここでいま話してきたことを踏まえ考えると、松隆=読者という等式が成り立つのが分かるだろう。


松隆が変ゼミ生と交流をしているだけでは変態にならないと同様、読者も『変ゼミ』を読んでいるだけでは変態にはならないのである。




しかし今後もし松隆が自ら変ゼミ生としてフィールドワークをこなすようになったとする。


すると松隆=読者の等式は成り立たなくなり、読者だけが変ゼミ唯一の劣等生――じょーしきじんとなってしまうのだ。


もしそうなったら、主人公:松隆奈々子に対して我々読者は「こんなところでなんつー話をしてるんだ! この“変態”!」と大きな声でツッコむ義務があるのだろうとボクは思う。


そしてそれはとても寂しいことだなーと、あるかも分からない未来のことを考えて、ちょっぴり憂鬱な気分になってしまうのである。






弱虫ペダル 21』





弱虫ペダル21巻については前々巻――弱虫ペダル19巻の記事で半分ほど書いてしまったのでそちらをご覧ください。


残りの半分は書くのが面倒なので、ツイッターで時々つぶやいているチャンピオンの感想ツイートを自分で発掘してご覧ください。


いやー、それにしても三日目は残り15kmまで全然盛り上がらなかったなー。正に一日目、二日目となぜ差がついた 慢心、環境の違い、だな。