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市内の図書館で今話題の(?)ビブリオバトルを開催するということでわざわざ2ヶ月前くらいに予約を入れて観戦をしてきた。
入場過多を見越した予約制とはいえ、利用者の少ない分館の会議室でやるということでそれほど人は集まらないだろうと開始時間ギリギリに行ったら、ほとんどの席が埋まっていて結局一番前の列の真ん中、つまり発表者の目の前で見るハメに。やはりビブリオバトルは今人気のコンテンツなのか。
しかし肝心の参加者の数は観戦者のソレに反してわずか8人とちょっぴり少なめなご様子。入室の際に貰ったプログラムを見ると発表にばっちり2時間取ってるけど、1人10分としてもけっこう余るっぽい。
しかもその参加者の年齢層がまた、8人中7人がオジサンオバサン〜お年寄りで20代以下は制服を着た高校生の男の子ただ1人という按配。
僕がビブリオバトルの話題を見かけるのはほとんど読売新聞上で全国大会の記事が載ったときだけなんだけど、その大会の主役が高校生の男女なもんだから、ビブリオバトルの需要は若い人にあって、今回のバトルも割と市内の高校生なんかが無双するもんだと思ってた。
まあ僕が図書館のカウンターに観戦申し込みをしたとき館員のおねーさんに「参加の方はいかがですかー?」とか「若い子に出てもらいたいんですよねー」とかさんざん言われたから、今思えばそういうことだったんだろーなーと。ちなみにおねーさんには「見るの初めてなんで、今回ので流れ掴んで次回って感じっすねー」と答えておいた。
ということで参加者8人(ほぼジジババ)を前半4人に休憩挟んで後半4人という風に分けてバトルが始まったんだけど、ここでビブリオバトルの簡単なルールを紹介しておこう。
ルールその1:発表参加者が読んで面白いと思った本を持って集まる。
ルールその2:
順番に1人5分間で本を紹介する。
ルールその3:
それぞれの発表の後に、参加者全員でその発表に関するディスカッションを2〜3分行う。
ルールその4:
すべての発表が終了したあとに「どの本が一番読みたくなった?」を基準とした投票を参加者全員1票で行い、最多票を集めたものを『チャンプ本』とする。
ざっとこんな感じ。今回も発表は5分でディスカッションが2分だったか。チャンプ本は挙手集計で前半と後半の4冊からそれぞれ1冊ずつ出す形式だった。
前半の4冊
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後半の4冊
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初めての観戦だったからとりあえず上に参加者たちの持ってきた武器(紹介本)を挙げつつ全体的な印象を述べるなら、まず見て分かるとおり小説を紹介している人が8人中3人しかおらず(内容はリンク参照)、僕が思ってたより少なかった。
書評といえばすぐ小説と決め付けるのは悪い癖だとは思うけど、新聞紙上の全国大会の記事見ると辻村深月とかで入賞してる人もいたからみんな自分の好きな(高火力な)武器をガンガン繰り出してくるのかと期待してたら、どちらかと言えば“戦いやすそうな武器”を持ってきたという印象が強かった。
あとこれは発表を聴いてて特に思ったことでもあるんだけど、何かみんな“訴えかけたいこと”みたいなのを挙げて綺麗にまとめようとしてる様子が見受けられた。
唯一の高校生(ビブリオバトル経験者)も『爆笑問題と考える〜』とか学生らしいっちゃらしいんだけど、お利口さんというか、個人的には若者の感性全開バリバリーでラノベとか紹介してくれたら面白かったのに。
ああ、でも『始祖鳥記』を紹介した人は時代小説が得意分野で本作についても著者から内容までかなり熱く語ってた。
結果チャンプ本に選ばれたのはこの『始祖鳥記』と『折口信夫 魂の古代学』だったんだけど、前者に関して言えばやっぱり自分の好きとか得意な本を武器に攻めの姿勢で戦うのが良かったのかも知れないし、後者に関しても発表者のオジサンはこの折口信夫って人の考え方が昔から好きらしく、発表も本の内容についてというよりは前提となる折口信夫の研究とか思想について語ってて、観戦者の興味もそこに集中していたように見受けられた。あとこのオジサン、「本書はB6版ですでに持ってたんだけど文庫版の表紙が良くていわゆる“ジャケ買い”をしました」とか若者言葉使って笑いを獲ってた。
今回初めてビブリオバトルというものを見たけど、やはりというか、発表者の年齢層が高いとどうしても発表に熱が足りないから“バトル”という印象が薄れるし、チャンプ本狙うなら観客の年齢層なんかも考慮しなきゃで色々一筋縄ではいかないのかもしれない。いっそ作者縛りとかでやったら人は集まらないかもしれないけど剣と剣のぶつかり合いが見れてめっちゃ面白そう。
最近はこうやって定期的に市立図書館でビブリオバトルを開催している所が多いらしく、僕も4月になって新しい環境に身を置くようになったら、大人が嗜む休日の知的趣味として始めてみるのも楽しいかもしれない。