九月のこと
「こし!たん!たん!」
新宿のバルト9で「ルー=ガルー」の映画を見に行ってきた。。。
観客は二十人ぐらいだった。。。
「こし!たん!たん!」
見終わってからなんか全体的に主題とずれてるよなーという話を友人とした。。。
スキャンダルなんていうワケの分からないグループとワケの分からないタイアップをするくらいなら、
内容も180°どころか円周上からぶっ飛ばして、
「5人の女の子が楽器もってバンドやる話」でよかったんじゃないか、という話を。。。
そして、こういう小説が原作の話を一本の映画にすると、例えそれがアニメでもドラマでも、
尺の関係から不遇な扱いを受ける人物が必ず存在してしまうというは嘆かわしいことだ、という話も。。。
「こし!たん!たん!」
しかしそれにしてもやりすぎだろう。。。
これでは、一人、二人……いや少なくとも三人は、あまりにも救われない役回りではないか。。。
不憫すぎて自分も別の意味で思わず涙を流してしまいそうになった程だ。。。
「こし!たん!たん!」
原作を読んで映画を見に行くとどうしてもその二つを比べてしまう、しかし原作を読んでから見に行かないと端折りすぎて話が良く理解できず映画が楽しめない、
これは小説原作映画の大半に共通するジレンマだなぁ。。。
「こし!たん!たん!」
サセックス大学に勤務するお偉い学者先生の生物の講義を聴講しに、
国際展示場駅にあるパナソニックセンターへ行ってきた。。。
講義の内容は人体ではなく植物――植物の防衛習性と遺伝子――についてだった。。。サセックスなのに。。。
講義を終えてそのまま帰るのも物足りないと思ったので、デジカメで“戦場の跡地”を撮ってきた。。。↓
実際に見るの初めてだけど、確かに今にでも変身してロボットになりそうなデザインだなー。。。
テレビとか漫画で見るともっと長いのかと思ってたけど、案外そうでもなかった階段。。。
何か映画館みたいだ。。。
これが臨戦態勢とってたファミマなのかな?
店内覗いたら、何もイベント無い所為か店員がすごく暇そうにしていた。。。
中学校の友人数人と居酒屋へお酒を飲みに行ってきた。。。
みな久々の再会だったので、昔話に花を咲かせた。。。
その中でも一番盛り上がったのは、
今は亜細亜大学に通い、大学一回生の春、ミクシィの日記に飲酒運転した記事を書いたら、暇人共に総攻撃を受け、
危うく大学を退学になりかけたN君が、中学時代ヤンデレの彼女に椅子を投げつけられた話だった。。。
「『一緒に登校しようって行ったじゃん……、ねえ、何で待っててくれなかったの……?ねえ……?』ってスゲー怖い顔してたから、
とりあえず謝って別のクラスに逃げようとしたら、後ろから椅子が飛んできた(笑)」
そんな彼女も今ではドイツで牧師と付き合っているそうです。。。
九時ぐらいまで談笑した後、店が込んできたので追い出され、メンバーを追加して二軒目に梯子、
その後、一時からカラオケフリータイムで五時まで。。。
酒が入ってたのでみんな好きな曲適当に歌って、ちょっと休憩して五時半に解散。。。
バイトだったりサークルだったり各々用事のある友人たちと別れて、
自分は家に帰って、シャワー浴びてクーラー効いた部屋で寝た。。。
ある日、バイト先へ向うときのこと。。。
「セレナ! ただいま!セレナ! この子ウチのセレナ! この子ウチのセレナなの!」
っていうかわいい声が聞こえたから、
幼女と犬が抱き合ってるほほえましい光景を期待して振り返ったら
幼女が車に抱きついてた。。。
ああ、なるほど、セレナ……日産。。。
その子と一緒にいた友達のお母さん大爆笑。。。
なんか超和んだ。。。
中学の同窓生たちとの飲み会を終えて、次の日(てか当日)
この日は朝から家の人が全員出払っていたので、八時に起床しささやかな朝食をとったのち、
贅沢にも二度寝をかましていると、突然「ぴーんぽーん」と自宅への来訪者を告げるチャイムがなった。
人が気持ちよく二度寝してるときに一体誰だよ、こんな時間にめんどくせー野郎だな、と世間とずれた悪態を心の中でつきながら、
チラリと二階の出窓から玄関先を覗くと、
毎月定期にやって来る宗教勧誘のお姉さんが立っているのが見えた。
ボクの家には毎月一回、得体の知れない宗教に入信している黒髪の綺麗なお姉さんがやってきて、
その宗教で作っている機関誌を置いて行くのである。しかも、ただポストに入れてくれれば良いものを、
毎回そのお姉さんは、わざわざインターホンを鳴らして家の人間を呼び出しては、
玄関先でその機関誌に書かれている内容を説明しながら名前も思い出せない教主様の教えを説き入信を勧めてくるのだ。
ボクも一度だけ玄関先に呼び出され、その熱心な説明と綺麗な黒髪、
そしてこの世の全ての汚れを浄化するかのような清楚な笑顔にホイホイと入信しそうになったが、
彼女の教主に対する気違いの様な盲信ぶりに恐怖を覚え、何とか思いとどまったという苦い経験があった。
「ぴんぽーん、ぴんぽーん」
一回目のチャイムをそのまま無視していると、更に二回、三回と続けざまにインターホンが押された。
どうやら彼女は、駐車スペースに残されている自転車(ボクの)から、
誰かしらは家にいるだろうとの推測を立てたらしい。
その証拠に、ちょこっと背伸びをし、
玄関扉についた小窓から家の中を覗き込もうとする仕草が、二階の出窓から窺えた。
ボクは彼女の呼び出しに応じようか応じまいか考えた。いや正確には、応じようか応じまいか、
今現在の眠気、気だるさ、疲労度合いと、お姉さんのあの癒し系極まれりな清楚な笑顔を天秤にかけて考えた、
と言った方が正しい。
そしてその結果、ボクはお姉さんの呼び出しを無視することにした。
確にあの完全無欠な笑顔と大和撫子な黒髪を堪能できないのは非常に残念だが、
それ以上に、今のボクは眠気、倦怠、疲労、がピークに達していたである。
やはり昨夜の、居酒屋二軒はしご+カラオケフリータイムはかなりの無茶だったらしい。
ボクはお姉さんが諦めて帰る姿を確認することなく、出窓のカーテンを閉め床に就いた。
そして、四回目のチャイムがなったのを耳の奥底で微かに感じながら、睡魔との戦いに敗れ、
深い眠りへと落ちていった。
次にボクが目を覚ましたのは三時間後の午後零時だった。
どうやら空腹が起床を促したらしい。
考えてみたら、今朝ココアと目玉焼きを摂取しただけで、昨日の夜からまともな食事を何もとっていないのだ。
ボクは何か調理の簡単なもの――冷麺でも食べようと、ドタドタと大きな音をたてて階段を降りキッチンへと向かった。
そういえば、今考えるとお姉さんには悪いことをしてしまったなぁ。
せっかくオメガ暑い炎天下の中訪問してきたというのに。
まあ、どうせ今日中にまた来るだろうから、その時にでも謝っておくことにしよう。
ともかく今は冷麺だ。早く何か食べ物を腹の中に入れないと“過剰空腹による腹痛”が起こってしまう。
ボクがそんなことを省み、また考えながら、麺を茹でるためのお湯を温めようとコンロの火を着けた、
その時、
「ぴーん……………………ぽーん」
ややまのびした様な玄関の呼び出し音が室内に鳴り響いた。
ボクは、お姉さんやけにタイミングが良いなと感心し、少し遅れてまさか、と考えを正して、
反射的に二階へ上がり出窓から外を見た。
と、
目が合った。
お姉さんと。
あの白い、白すぎる笑顔を纏ったお姉さんと。
“おそらくまたそこから顔を出すのでしょうと予想して予め顔を挙げていた”お姉さんと。
ボクは階段を降りて恐る恐る玄関の扉を開けた。
そして微笑と“水を被ったように濡れた”ドコまでも深い黒髪を携えたその人と対面した。
「なーんだ、やっぱりいるんじゃないですか」
多分、開口一番お姉さんはそんなことを言ったんだと思う。けれどその言葉はボクの耳に届かなかった。
何せボクの意識は、お姉さんの手に握られた、汗でぐちゃぐちゃになった機関誌と、
振り上げられた血まみれの包丁に集中してたのだか……。。。
ヤンデレ彼女の話なんて聞くから夢に出てきたー。。。
マンガだったら二階の出窓から口パクエンドのが良さそうだな。。。