書籍紹介


谷崎潤一郎マゾヒズム小説集 (集英社文庫)

谷崎潤一郎マゾヒズム小説集 (集英社文庫)




中村祐介の表紙で、中身は六篇。。。


「少年」「幇間」「麒麟」「魔術師」「一と房の髪」「日本に於けるクリップン事件」


谷崎潤一郎マゾヒズム小説ってか、SM小説はこの六つとあと「春琴抄」くらいしか読んだことないけど、


前者の作品たちは、後者の作品に比べてどれも約5年から〜10、20年くらい早い頃に発表されたものだから、


どちらかと言えば肉体面よりも、メンタル面に寄与したSMの形が多かったように見受けられた>作風の変化。。。


だいたいSMというのは、変ゼミの飯野教授も言ってるけど


「ヘルスよりもメンタルの結ぶつきがひとつ上のプレステージを生むのだよ!」


と、そういうのもので、これは「つまり…どういうことだってばよ?」と言うと、


個人個人が、「ボクはドSだから」とか「俺はMだわ」と、SMを性格のように表現することは基本的にはありえないということ。。。


SとMというのは、人間二人がメンタリティーな関係を持って、その時点で初めて“SとMの関係”が生まれるわけだから。。。


自分がどっちになるかなんて分かりゃしねー。。。


そして、SとMというのは決して上下関係でないということも一応。。。


てかたとえ、ドSの男でもドMの男でも、


“目の前に制服着た可愛い女の子が首輪に繋がれて動けなくなってる姿”見たら、


皆々様、性的興奮を催すに違いない、


とまあ、つまりそう、結局、そういうこと……なのかな。。。


にしても、首輪>目隠しだよね、やっぱり!













当時、


第1回恋愛小説コンテストラブストーリー大賞、


新風舎文庫大賞大賞、


第6回エンターブレインえんため大賞佳作、


第8回角川学園小説大賞優秀賞、


第1回MF文庫J新人賞編集長特別賞、


と一度に5部門の文学賞を総なめにし彗星のごとく現れた天才高校生、


まさにラノベ界の新妻エイジこと日日日のデビュー作!とその続編てかスピンオフ、の文庫版。。。


ホントはこの二冊の間にもう一冊スピンオフがあるんだけど図書館には置いてなかった、残念。。。



にしても、これを高校生のときに書いたとかすげーな日日日、いったいどんな高校生だよ、と。。。


いやでももっと凄いのは、下の「ピーターパン」の前身を中学生の頃に書いたって話、いったいどんな中学生だよ、と。。。




日日日の書いた作品初めて読んで、流石に桜庭、米澤、橋本、おまけして日日日もかな←NO! だったけど、


「ちーちゃん」の主人公――モンちゃん――の、性格っていうか、自らが置かれている境遇に対するモノの考え方は自分、


モノスゴク好きだ。。。


なぜならそれは、彼が、日常と非日常に関して常々考えてきた自分の持論をピッタリ具現化したようなキャラクターだったから。。。



『日常を求める権利があるのは非日常の中にいる人物だけである』っていう持論を。。。



ちーちゃんの幼馴染で主人公のモンちゃんこと久野悠斗くんは、夫婦仲最悪の両親に虐待を受けており、


家では押入れに隠れて時を過ごす毎日。。。


挙句の果てに父親が母親を殺してしまい一家離散、そして転校へ……(ウソ、転校はしてない、でも普通に考えたら親戚のおじさんの家コース直行だと思う)


以上、これが久野くんが置かれている非日常。。。


んで、以下そんな非日常に対する久野くんの見解。。。


「僕は非日常が嫌いなんだ。ちーちゃんがくだらないと思っている日常が、僕にとっては憧れなんだ。非日常は素晴らしくなんかない。とっても恐ろしいものなんだよ」



まさに“完全に一致”



“とっても恐ろしいものである非日常”の中に自らがいるからこそ、日常に憧れる(求める)。。。


それは非日常を抜け出したいと願う上で当然の帰結であり、単純な解決、


なにより読んでるこっちも理解できる。。。




けれど



無いのだから欲しがるという一見当たり前のように思えるこの思考の帰結も、


日日日が普段メインで書いてますとあとがきで言っている、


ライトノベル


に於いては一概に頷けるものではない。。。


実際、数多のラノベの主人公たちがしょっちゅうほざいている日常と非日常というのは、その認識を誤魔化したものが非常に多いのだ。。。


例えば↓みたいな。。。




『俺は平凡な日常をこよなく愛する平凡な高校二年生、日常最高(ひよつねさいこう)。。。


ある雨の日、道端の捨て猫に昼の弁当の残り物をあげていると、


突然“パッチリとした瞳がカワイイ、整った顔立ちをした”謎の美少女上級生(学園のアイドルでも可)、時来めぐる先輩に、


怪しげな研究所に連れて行かれてしまう。。。


半ば強引、拉致のように連れて行かれたその研究所は『現代文明でタイムマシンの発明を本気(と書いてマジと読む)で考える会』という、


ツンデレネコミミメイド(もはや死語)やらクーデレ狸耳幼女やら、胡散臭いヤツらが集まったこれまた胡散臭い場所であり、


俺はそこで、時来先輩の衝撃的秘密を知ることに。。。


なんと時来先輩はタイムマシンで未来から現代へやってきた未来人だったのだ!


時間遡行の過程でタイムマシンが大破してしまい、現代の技術でタイムマシンを発明する術を模索しているのだと言う。。。


「猫好きに悪い人はいません。それにほら、タイムリープ物といえばやはり猫と猫好きがツキモノなのですよ」


時来先輩のその理由にならない言葉に流されて、平凡な日常を愛する俺も嫌々ながら「現代文明で(以下略)」に入会し、


タイムマシン発明に東奔西走するはめになる、はずだったのだが……。。。


なぜか俺を抜いた『考える会』のメンバーは、


毎日研究所のテーブルでお菓子を食べながらティータイムに興じていたり、


商店街の球技大会のに参加したり、鬼怒川温泉へ遊山しに行ったり、


ロゼッタストーンを見にイギリスの大英博物館へ旅行したり、


タイムマシンを発明する気などさらさらないご様子。。。


そのうち、幼稚園からの幼馴染である宵山御子が俺の行動を怪しみだし『考える会』に乱入してきて時来先輩に決闘を申し込んだり、


時来先輩を狙う悪い未来人たちに超光化学光線銃で撃たれそうになったり、


俺のこよなく愛する平凡な日常はますます悠久の向こうへと消えていくのであった……。。。



○○大賞佳作受賞作品、タイムマシン発明ご近所SFコメディここに登場!


ああ、タイムマシンを使ってでもいいから、だれか俺の日常を返してくれ……!!』




すげー、自画自賛、我ながらよく出来てる。。。


特に最後の一文、“日常の中にいるのに日常を求める”ひっぱたきたくなるような主人公の特徴がよく出てる。。。




こんだけ長く書いて結局何が言いたいかって、上の文章を書きたかっただけ!


あと、主人公はもっと苦しまないとね、ってこと!後付けだけど!











これは少し特殊な小説。。。


藤原ヨウコウの描いた二枚のイラストを見て、


12人の作家がそのイラストが挿絵になるような小説を書く、というコンセプトで作られた本。。。


だから“逆想”コンチェルト。。。コンチェルトは協奏曲、つまりは競作的な意味。。。


まあ、正確には八枚のイラストを二枚ずつ分けて、それに対しそれぞれ三人ずつ作家を振り分けて、全4チャプターという塩梅なんだけど。。。


これ面白いのが、二枚のイラストを見て書いた作品を藤原ヨウコウが読んで、もう一度、


その小説に対してそれぞれ一枚のイラストを描き上げるというところ。。。


この二枚のイラストからこんなイラストの小説を創りました、とそーゆーこと。。。




んで、中身。。。


この本の見所は、まさしく各作家のイラストの使い方。。。


一応2枚×4チャプターのイラストには共通点があって、片方が抽象画でもう片方が人物画になっている。。。


作家たちはその二枚のイラストをどのように小説に組み込むか試行錯誤するわけだけど、


そのままイラストに描かれている内容を話の中のワンシーンとして使う人もいれば、


イラストそのものを、作中に絵画として登場させる使い方なんかもあって、スゴイ感心した。。。


でも、読んでて一番使い方が上手いなーと思ったのは、二枚のイラストを作中に絵画として登場させ、


なおかつ、その二枚を宝島の地図に見立てた話>朝暮三文「新宝島


わけの分からん抽象画に対して、これは○○が××しているように見えなくもない、つまり△△を示しているということか、


と主人公が勝手に解釈していく様は、なるほど確かにそう見えなくもないなと思わされて楽しかった。。。




これは奏の1で図書館の新刊棚から抜いたものだけど、どうやらもうすでに奏の2も発売しているみたい。。。


リクエストしてまた借りてこよう。。。








空の鼓動

空の鼓動




竜の巣だー!


なんか眺めてたら涙出てきた。。。








小説 あらしのよるに

小説 あらしのよるに




まさに、動物版ロミオとジュリエット。。。


と言う前に、




メイが雄なのか雌なのか、それが問題だ。。。




もし雄だとしたら、その時点でこの作品は腐女子垂涎のBL本でもあり、


コミックマーケットに於ける801本の勢力図を一気に塗り替えるほどの力を持ったネタに成り得ると思うんだけど


どうなんでしょうか。。。ヒバ×ツナなんて目じゃねーぜってなカンジで。。。


だってこれ、読んでて恥ずかしくなるくらいのイチャラブっぷりじゃん>ガブ×メイ、メイ×ガブ。。。


でも作中で雄か雌か書かれてないし、ウィキ見ても、映画は雄(!)、ってことしか載ってないし。。。


一応児童書だから、雄とか雌とか性別出しちゃうと、ラブラブな描写が妙に生々しくなっちゃうから、避けているのかな。。。


まあ、あまり深く考えることじゃないかもしれない。。。



それよかガブのかっこよさがやばい。。。


ラスト付近で


「ふっ、命をかけてもいい相手か」とメイのことを思い出しながら、


一人で追っ手を食い止めるシーンなんて、まるで少年漫画の主人公ようだ。。。



あらしのよるにシリーズ」は中学生の頃、担任が朝のホームルームの時間に読み聞かせしてたから、


ある程度話の流れは知ってたけど、あれー、最後こんな結末だったかなーって思った。。。


もう七、八年前のことだし、忘れていても当然か。。。








塩図鑑

塩図鑑




塩の図鑑。。。


料理の「さしすせそ*1」の“そ”に君臨するソルトの図鑑。。。


塩っていっぱい種類あるんだなー。。。値段もピンキリだし。。。


個人的には雪塩が高級そうで、食べてみたいと思った。。。

*1:“さ”が砂糖、“し”は当然しょうゆ、“す”は酢味噌、“せ”は……背あぶら